こんにちは、Pont Miyabiの吉澤です。
「日本でうまくいっているSNS運用を、そのまま海外向けに展開したら全く反応がなかった」
こういった経験をされた方は多いのではないでしょうか。
最近はインバウンドの旅行客に向けて英語でコンテンツを作られている方も多いのですが、このように躓いてしまうケースが後を立ちません。
そもそも日本と海外では、SNSの使われ方・伸びるコンテンツのスタイル・エンゲージメントの取り方まで、根本的に異なります。この違いを理解せずに海外向けSNSを運用しても、時間とリソースを無駄にするだけです。
私たちPont Miyabiは、日本・英語圏・フランス語圏のクライアントのSNS運用を実際に手がけてきました。LinkedInでは30万インプレッション、インバウンド向けSNSで6ヶ月5万フォロワー・400万再生を達成した経験をもとに、日本と海外のSNSの違いをお伝えします。
1. プラットフォームの使われ方が根本的に違う

まず、日本と海外では「どのSNSが使われているか」から違います。
日本のSNS利用状況(2025年)
総務省の調査によると、日本のSNS利用率のトップはLINEで91.1%。次いでYouTube(80.8%)、Instagram(52.6%)、X(旧Twitter)(43.3%)と続きます。
特に日本でのX(旧Twitter)の普及は世界的に見ても特異で、国内SNSユーザーの大多数が利用しています。匿名性の高いプラットフォームで情報拡散・議論が活発に行われるのは、日本特有の文化です。
世界のSNS利用状況(2025年)
一方、グローバルで見ると状況は大きく異なります。DataReportalの2025年調査によると、世界で最も使われているSNSはFacebook(月間アクティブユーザー約30億人)、次いでYouTube、WhatsApp、Instagramの順です。
X(旧Twitter)は日本では非常に人気ですが、グローバルでの存在感はFacebook・Instagram・TikTokと比べると限定的です。
特に気になるポイントとしては、海外ではWhatsAppやMessengerがコミュニケーションの主要ツールであり、LINEはほとんど使われておりません。なので日本の感覚でラインマーケなどを考えると基本的に的外れの戦略になってしまいます。
参照:
- 総務省「令和6年 情報通信に関する現状報告」
- DataReportal “Digital 2025 Global Overview” https://datareportal.com/social-media-users
2. コンテンツスタイルの違い
プラットフォームの違いも大事ですが、それ以上に重要なのが、コンテンツスタイルの違いです。

日本のコンテンツスタイル
日本のSNSでは、文字の情報量が多く丁寧に作り込まれたコンテンツが好まれる傾向があります。
- きれいに整えられた画像・写真
- 詳細な説明テキスト
- 「保存したくなる」情報量の多い投稿
- 統一感のあるフィード
特にInstagramでは、プロフィール全体の世界観を統一することが重要視されており、
1投稿の完成度より全体の一貫性が評価される文化があります。
海外のコンテンツスタイル
海外では、シンプルさ・エンターテインメント性・フックの強さが重視されます。
- 最初の1〜2秒で掴むフックが全てを決める
- 作り込まれた広告よりも、リアルで自然なコンテンツが伸びる
- コメディ・驚き・感情を動かす要素が強い
- 「役に立つ」より「見続けたくなる」構成
実際に海外で60万いいねを超えたPR動画は、「2階からボールを落として何バウンドで取れるか」というおバカチャレンジ映像から始まり、最後に自然に商品紹介へ切り替わる構成でした。見ている側は気づかないうちに最後まで動画を視聴しています。
3. エンゲージメントの取り方の違い
コンテンツの作り方だけでなく、ユーザーとの関わり方も日本と海外では全く異なります。
日本:保存・いいね重視
日本のInstagramでは「保存数」がアルゴリズム評価において特に重要とされています。「後で見返したい」「参考にしたい」という動機で保存されるコンテンツ、つまり情報量の多い役に立つ投稿が評価されます。
いいねは気軽に押せるためアルゴリズム評価への影響は限定的で、コメントはハードルが高く、日本ではあまり活発ではない傾向があります。
(だた最近ではコメントで〇〇と打ってくれたら、無料プレゼント!
などのスタイルは一部流行ってきてます)
海外:コメント・シェア・議論重視
海外、では、コメント数がアルゴリズム評価において非常に重要です。
私がLinkedInで30万インプレッションを達成した経験から言うと、最も反応が大きかった投稿の共通点は「議論を生む内容」でした。
例えば「日本とヨーロッパの働き方の違い」というテーマ。ある人は「日本の働き方には良い面もある」と感じ、別の人は「それは時代遅れだ」と反論したくなる。この「賛否が分かれる構造」が大量のコメントを生み、アルゴリズムに評価されます。
日本的な「全員が賛同するような無難な投稿」は、SNSではほぼ反応が得られません。
しっかりと賛否両論でも良いので、意見をズバッと言うのが求められております。
Sprout Socialのデータ(2025年)によると、LinkedInのコメント数は前年比37%増加しており、テキスト投稿がビデオやUGCよりもエンゲージメントが高いという結果も出ています。
参照:Sprout Social “Social Media Statistics 2025” https://sproutsocial.com/insights/social-media-statistics/
4. ビジネス活用の違い

SNSをビジネスに活用する際も、日本と海外では戦略が全く変わります。
日本:BtoCがSNSの主戦場
日本では、Instagram・X・TikTokを活用したBtoC向けのプロモーションがSNSマーケティングの中心です。インフルエンサーとの協業も一般的ですが、「案件感が出すぎると嫌われる」という文化が強くあ、ステルス的な自然な紹介が好まれます。
LinkedInはビジネスパーソンの間でも認知度が低く、採用以外での活用はまだ限定的です。
海外:LinkedInがBtoBの主戦場
海外では、BtoBのビジネス開発においてLinkedInが必要不可欠なプラットフォームです。
2025年のデータでは、B2Bマーケターがmost used social media platformとして1位に挙げたのがLinkedInです。世界で約13億人のメンバーを抱え、200カ国以上で利用されています。
私自身、LinkedInで西洋のビジネスオーナー向けに日本市場への進出支援を発信し、30万インプレッションを達成しましたのですが、そこで気づいたのは、日本人でLinkedInにコンテンツを投稿しているビジネスパーソンが極めて少ないため、競合が少なく伸びやすいことです。
また海外では、インフルエンサーマーケティングへの態度も異なります。2025年から2026年にかけて、ブランドがソーシャル広告よりインフルエンサーマーケティングに多くの予算を使い始めるというデータも出ており、「正直に案件であることを開示した上でのPR」が海外では一般的です。
参照:Sprout Social “Social Media Statistics 2025” https://sproutsocial.com/insights/social-media-statistics/
5. 海外向けに発信する際に変えるべき3つのこと

ここまでの違いを踏まえて、実際に海外向けSNSを運用する際に変えるべき点をまとめます。
① 「伝えたいこと」より「相手が知りたいこと」を起点にする
日本でも海外でもSNS運用において、自社の魅力・商品の特徴を伝えることが中心になりがちです。
ですが、相手の困りごと・知りたいことを解決するコンテンツが圧倒的に伸びます。同じお店を紹介するにも「このお店はこんな魅力があります」ではなく「あなたの旅行中でのこんな悩みを、この店では解決できます!」という問題解決型の切り口に変えるだけで、反応が大きく変わります。
② 丁寧さよりシンプルさと「フック」を優先する
日本スタイルの丁寧で文字情報量の多い投稿スタイルは、海外ではあまり好まれません。
そして最初の1〜2秒で「見続けたい」と思わせるフックを用意すること。その後はシンプルに、要点だけを伝える。この構成に切り替えることで、海外ユーザーのエンゲージメントが大きく変わります。
③ 無難な投稿より「議論を生む投稿」を意識する
海外SNS、特にLinkedInやFacebookでは、コメントが集まる投稿がアルゴリズムに評価されます。
「全員が賛成するような無難な内容」ではなく、「ある人は賛成、別の人は反論したくなる」という構造を意識的に作ることで、エンゲージメントが大幅に上がります。
おわりに
日本と海外のSNSの違いは、プラットフォームの種類だけでなく、コンテンツのスタイル・エンゲージメントの文化・ビジネス活用の方法まで、あらゆる面に及びます。
この違いを理解した上で設計するかどうかが、海外向けSNSが伸びるかどうかの分岐点です。
Pont Miyabiでは、海外向けのSNS運用・コンテンツ制作・ローカライゼーションをトータルでサポートしています。ぜひ一度ご相談ください。
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