こんにちは、Pont Miyabiの吉澤です。
SNSを見ていると、こんな投稿や広告を目にすることがあります。
「0投稿からマネタイズ成功しました」 「フォロワー100人で何十万稼ぎました」
楽して稼げるような話が溢れていますが、はっきり言います。
そんなSNS運用は、ほんの一部の天才か奇跡が起きない限り、まず無理です。
ましてや、インバウンド向けにSNSを運用するとなると、日本向けよりも何倍もレベルが上がります。言語・文化・コンテンツの設計全てが異なる相手に向けて発信するわけです。甘く考えて始めると、
3ヶ月後に「やっぱり無理だった」となるのがオチです。
実際、私自身が日本向けに発信していたときは3ヶ月で10,000フォロワーを超えました。しかしインバウンド向けに切り替えた最初の3ヶ月間は、海外の方にほぼ響かず、相当苦労しました。
ただ、だからといって諦めろと言いたいわけではありません。
正しい知識と戦略を持ち、最低3ヶ月以上コンスタントに継続できれば、6ヶ月で5万フォロワーも決して夢ではありません。 私たちが実際にそれを達成してきました。
この記事では、インバウンド向けSNSを0から始める人が知っておくべき前提と、実績に基づいた戦略の作り方を解説します。
1. インバウンド集客にSNSが欠かせない理由

数字を見れば一目瞭然です。
2025年の訪日外国人客数は過去最高の約4,268万人、旅行消費額は約9.5兆円。そして観光庁の調査では、訪日旅行の出発前に役立った情報源としてSNSが38.9%で1位です。
外国人観光客の多くは、日本に来る前にSNSで行き先を決めています。
この「旅マエ」の段階で目に入らなければ、そもそも選択肢にすら入りません。
ホームページを作っているだけ、チラシを配っているだけでは届かない層に、
SNSは確実にリーチできます。
参照:観光庁「インバウンド消費動向調査(2024年)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/
2. 国別・目的別のプラットフォーム選定

「とりあえずInstagram」ではなく、
ターゲットとする国・年齢層・ビジネスの目的によって使うべきSNSは変わります。
ただし、最初から全部やる必要はありません。まず1〜2つに絞ることが鉄則です。
ひとつ補足しておくと、InstagramとTikTokは同じ縦型動画を使い回せるので、セットで運用しやすいです。XとThreadsも同様に、ほぼ同じ投稿を流用できます。一方でLinkedInやYouTubeの長尺動画は独立した別物なので、追加のリソースが必要になります。
欧米(アメリカ・イギリス・フランスなど)を狙う場合
Instagram・TikTok(ビジュアル・体験系)、LinkedIn(BtoB・個人ブランディング)が中心です。
若年層はTikTok、30〜40代はInstagramとLinkedInの使い分けが効果的です。
東アジア(韓国・台湾など)を狙う場合
TikTok(韓国ではByteDanceのアプリが主流)、Instagram、YouTubeが有効です。
東南アジアを狙う場合
Facebook(特にタイ・フィリピン・ベトナムで今も主力)、TikTok、Instagramの組み合わせです。
中国を狙う場合
WeChat・Weibo・RED(小紅書)など、完全に別の世界です。
日本でよく使われるSNSは中国では使えないため、完全に別の戦略が必要です。
3. 0からの実践ロードマップ3ステップ

Step 1:プラットフォームを絞り、徹底的に競合を分析する
最初からいきなり投稿を始めてはいけません。まずは、競合分析です。
狙うプラットフォームで、自分のジャンルに関連するキーワードを実際に検索してみてください。「Japan travel」「Tokyo food」「Japanese culture」など、ターゲットが検索しそうな言葉で調べると、同じジャンルで伸びているアカウントが出てきます。
ここで重要なのが、ChatGPTやGenspark などのAIに任せないことです。
AI調査は情報の精度が下がる上に、実際のビジュアルや動画の雰囲気・コメントの空気感などは自分の目で見ないと分かりません。
時間は少しかかりますが、伸びている動画を最初から最後まで実際に視聴してください。
分析のポイントは2つです。
競合が触れていない内容を探す
多くのアカウントが取り上げているテーマは競争が激しい。逆に「これについて発信しているアカウントがないな」という空白地帯を見つけることが、初期に伸びる一番の近道です。
バズっている動画の「なぜ」を言語化する
再生数や保存数が突出している動画があれば、なぜその動画がバズったのかを自分なりに分析します。フックの強さなのか、テーマの希少性なのか、感情を動かす何かがあるのか。その要因を言語化した上で、自分の投稿に反映させます。
Step 2:10〜20本投稿して、成功パターンを見つける
競合分析が終わってから、初めて投稿をスタートします。
最初の10〜20本は「テスト」だと思ってください。完璧なコンテンツを1本作ることよりも、様々な切り口で投稿して、どれが刺さるかのデータを集めることの方が重要です。
数字を見ていくと、ある動画だけ再生数が何倍も跳ね上がることがあります。もしくはプチバズが起きたり、特定の投稿だけコメントが集中したりします。
その合図を見逃さないことが大事です。
なぜその投稿だけが伸びたのか。テーマなのか、フックなのか、サムネなのか、投稿時間なのか。要因を一つひとつ分解します。
Step 3:成功パターンを横展開して継続する
成功パターンが見えたら、あとはそれを繰り返します。
伸びた動画の型を横展開する。テーマを変えて、同じフックの構造で投稿する。これを継続することで、アカウントに一貫した強みができていきます。
基本的に20〜30本ほど真剣に取り組めば、バズる動画やプチバズが必ず出てきます。
4. 伸びるコンテンツの設計原則
「何を投稿すれば伸びるか」は、競合分析をすれば基本的に見えてきます。
ただ、原則として押さえておくべき考え方があります。
「相手の困りごとを解決する」か「インサイトに刺さる」コンテンツを作る
インサイトとは、本人が言語化できていないけれど、無意識に心が動いてしまうことです。
コンテンツのネタ探しで一番効果的な方法を2つ紹介します。
ひとつはGoogleの検索候補を使うことです。「Japan travel」と打ったときに出てくるサジェストは、実際に多くの人が知りたいと思っている内容です。それをそのまま動画のテーマにすると、検索意図に刺さるコンテンツができます。
もうひとつは知り合いやお客さんがボソッと言ったことをメモすることです。「え、日本ってこんな文化があるの?」「これどういう意味?」という何気ない一言が、外国人の本音のインサイトであることが多い。そういう言葉を記録しておいて、動画のネタにします。
どちらも共通しているのは「自分が伝えたいこと」ではなく
「相手が知りたいこと」から出発していることです。
詳しいコンテンツ設計については、以下の記事で解説しています。
関連記事:インバウンド集客にSNSを使っているのに伸びない理由
5. やりがちな失敗3つ

失敗①:なんとなく始める
「とりあえず投稿してみよう」という状態でスタートすると、ほぼ確実に3ヶ月以内に諦めます。
ターゲット国・プラットフォーム・コンテンツの方向性・KPIを決めてから始めることが、継続の大前提です。
失敗②:複数のプラットフォームを同時にスタートする
最初からInstagram・TikTok・YouTube・LinkedInを全部やろうとすると、全て中途半端になります。
まず1〜2つのプラットフォームで成功パターンを作ってから横展開する。これが最も効率的な進め方です。
失敗③:海外の文化やSNSの常識を学ばずに始める
日本と同じスタイルをそのまま海外向けに発信しても、まず届きません。
欧米ではどんなコンテンツが好まれるのか、エンゲージメントの取り方はどう違うのか、シェアされる動画とはどういうものか。こうした基本的な知識を持った上でスタートすることが、最初の3ヶ月を無駄にしないための最短ルートです。
関連記事:日本人が知らない欧米のSNS文化の常識
おわりに
インバウンド向けのSNS運用、意外と面倒で大変なんだなあと思った方も多いのではないでしょうか。
日本向けでもそうですが、最初の3ヶ月は成果が出ないことの方が普通です。
ただ、正しい戦略を持って継続できれば、結果は必ずついてきます。私たちが6ヶ月で5万フォロワーを達成できたのも、この記事で紹介したロードマップを地道に繰り返した結果です。
弊社では、インバウンド向けのSNS戦略設計・コンテンツ制作・多言語ローカライゼーションをトータルでサポートしています。「0から始めたいが何から手をつければいいか分からない」という段階からでも、ぜひ一度ご相談ください。
関連記事:インバウンドSNSマーケティングの始め方
関連記事:海外向けSNS運用を成功させる方法
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